ブロックチェーンとは?ブロックチェーンをわかりやすく簡単に解説!

暗号資産(仮想通貨)に使われているブロックチェーン。ビットコイン=ブロックチェーンと思っている方も多いのではないでしょうか。ブロックチェーンの技術は暗号資産(仮想通貨)以外にも使え、大手企業もブロックチェーンの技術を活用したシステムやサービス開発に積極的に取り組んでいます。そんな多方面から注目されているブロックチェーンをこれからわかりやすく簡単に解説します。
そもそもブロックチェーンはいつ頃できて、誰がつくったものなのでしょうか?
ブロックチェーンの歴史
1990年頃、過去のインターネット上の情報を改ざんされない方法の研究が進む中、1993年Proof-of-Work(後に説明)のコンセプトが発表されました。そして、2008年「サトシ・ナカモト」により「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」の論文が公開。この論文はIT業界に変革をもたらしました。さらに技術は進化し、論文で発表された技術が仮想通貨以外にも使えるよう開発されたものが、2014年に誕生したEthereumブロックチェーンです。こちらのブロックチェーンが誕生したことで幅広い分野でブロックチェーンの技術が使えるようになりました。
この歴史を見ると、どうやら2008年「サトシ・ナカモト」と名乗る人物がビットコインをつくるために、過去の技術を組み合わせてつくった技術がブロックチェーンのようですね。
「サトシ・ナカモト」は日本人のようなお名前ですが、正体は不明です。
IT業界に変革をもたらしたブロックチェーンですが、大きくわけて2種類あります。
1.パブリックブロックチェーン
世界中の誰でも参加ができるブロックチェーンで、ビットコインや Ethereumなどはパブリックブロックチェーンを使っています。
2.プライベートブロックチェーン
会員制の参加に許可が必要なブロックチェーンで、同じ目的がある人たち同士が使う限定されたブロックチェーンです。
それでは、ブロックチェーンに種類があることがわかったあとは、ブロックチェーンのしくみを知っていきましょう。
ブロックチェーンの技術を活用すると、インターネット上で第三者を介さずコンピューター同士が検証を行い、ネットワークに参加している人たちのみでデータのやりとりを行うことができます。
キーワードごとにブロックチェーンのしくみを説明していきます。
知っておくと良いキーワード
Peer-to-Peer | 電子署名 |
トランザクション | Proof-of-Work |
ハッシュ | コンセンサスアルゴリズム |
「Peer-to-Peer」
対等なコンピュータ同士で直接やりとりを行う通信方式のことをいいます。システム全体の中央機関は存在せず、一つのコンピュータのシステムがダウンしてもシステムが止まることはありません。ブロックチェーンは別名「分散型取引台帳」と呼ばれていますが、データを分散できるよう実現可能になったのは「 Peer-to-Peer」のネットワークシステムを使っているからです。

(出典)総務省「ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」(平成30年)
「トランザクション」
ブロックチェーンでは取引履歴のことを「トランザクション」といいます。
ブロックという単位にまとめられた取引データは、ブロックチェーン上に記録され、トランザクションデータはブロックに格納され、チェーン状につらなっています。
このようにブロックチェーンは、データをブロックにまとめて、そのブロックをチェーンのようにつなげることからブロックチェーンと呼ばれています。
「ハッシュ」
取引データを複雑に組み合わされた英数字に暗号化し、その英数字を「ハッシュ値」といい、暗号化する際の計算式を「ハッシュ関数」といいます。
ハッシュ値のデータが改ざんされた場合、データを受け取った側に異なる数値が送信されるため、データは改ざんできないようなしくみになっています。
ブロックチェーンは、「ハッシュ値」や「ハッシュ関数」を使ってデータの改ざんを防止しています。
「電子署名」
ハッシュ関数を使ってデータのハッシュ値を取得したのち、秘密鍵と公開鍵のペアを作成。データをハッシュ化して、秘密鍵でさらに暗号化したものを電子署名といいます。デジタル文書の作成者の証明や、データが改ざんされないようにすることを目的としています。
ブロックチェーンは、電子署名のシステムを使うことで、作成文書が本人のものかどうかの確認とデータの改ざんを防止しています。
「コンセンサスアルゴリズム」
ブロックチェーンは、データを分散し、参加者全体でデータを共有するため、正しいデータかどうか検証する必要があります。したがって、ネットワークの参加者同士でデータの検証を行い、正しいと判断された場合は合意をします。その検証と合意のためのアルゴリズムが「コンセンサスアルゴリズム(合意形成アルゴリズム)」です。
また、「コンセンサスアルゴリズム」は、色々な種類があり、仮想通貨の種類ごとに変わります。
有名なところで、ビットコインは「Proof-of-Work」のコンセンサスアルゴリズムを使っています。 イーサリアム(Ethereum) は「Proof-of-Work」から「Proof-of-Stake」のコンセンサスアルゴリズムに変更し話題になりました。
ブロックチェーンは、コンセンサスアルゴリズムを使い、どのデータが正しいか検証と合意を行います。
「Proof-of-Work(プルーフ・オブ・ワーク)」
「コンセンサスアルゴリズム」にでてきた「Proof-of-Work(仕事による証明) 」ですが、簡単に説明すると、マイニング作業に成功報酬を与え、競争をさせることで不正や改ざんを防止するしくみを「Proof-of-Work(通称:PoW プルーフ・オブ・ワーク)」といいます。
ブロックチェーンは膨大な計算や承認作業が必要になり、その計算を行うためには膨大なコストがかかるため、計算や承認作業を行った人に成功報酬として暗号資産(仮想通貨)が新規に発行され、この作業はマイニングと呼ばれています。
マイニングはブロックチェーン上の取引データをつなぐために、ナンスと呼ばれるある特定の数字を見つける作業を行います。ナンスを一番最初に見つけられた人はほかの計算者に結果を公開し、正しいと判断された人に報酬が支払われます。
また、マイニングの作業を行う人はマイナーと呼ばれ、環境さえ整えれば誰でも参加できるため、全世界にマイナーはたくさんいます。そのマイナーたちはマイニング作業を競わないといけません。競わせる理由として、マイナーたちが結託して悪いことをしないようにです。
このように「Proof-of-Work」のコンセンサスアルゴリズムを使ってデータの検証と合意を行うには、マイニングの作業が必要で、成功報酬や競争をさせることで不正や改ざんを防止しています。
マイニングについて知りたい方はこちらの記事もぜひチェックしてください!
ここまで記事を読んでブロックチェーンの技術がなんとなくどのようなものかわかっていただけましたか?
インターネット上で第三者を介さずコンピューター同士が検証を行い、平等な情報共有を行うために、ブロックチェーンではたくさんの技術が使われているようですね。
ブロックチェーンの技術を理解するのは非常に難しく、この記事を読んでなんとなくブロックチェーンがどのようなものかわかっていただけると幸いです。
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(執筆:山本)